プリマス&マーサズ・ヴィニヤード島

アメリカ

夫のインターンが休みになる週末は、ボストンから車で1時間ほどのプリマスを経由して、さらに南下したところにあるマーサズ・ヴィニヤード島を訪ねました。夫の職場の上司ご一家がしばらく滞在しており、よかったら一緒にどうぞとお誘いしていただいたためです。

プリマス(Plymouth) – 島に行く前に少しだけ見てみようと立ち寄った町ですが、短時間で見て回るにはとても時間が足りませんでした。ここプリマスは、1620年、イギリスから渡ってきたピルグリムがたどり着いた地として知られており、彼らが乗船していたメイフラワー号(Mayflower)を復元したものが現在はプリマス湾に停泊しています。プリマス湾に沿って車を走らせると、この復元船のほか、「1620」と彫られたプリマス・ロック (ピルグリムが当時踏みしめた石とされる)や、ガゼボの建つ州立公園を見ることができます。小さい町ながらも、このように歴史を感じさせる建築物があちこちに存在し、今私が生活しているニューイングランドがどのような成り立ちでここまで発達したのか、その経緯を知りたいという気持ちにさせてくれます。

歴史あるこの土地の博物館 (Pilgrim Hall Museum)を見ないわけにはいかないなと思い、立ち寄ったところ、17世紀前半から現代に至るまでのプリマスの発展に関わった女性たちを特集する展示が行われていました。特に目玉と言えたのは、メイフラワー号に乗船し生き残った女性の話と先住民族ワンパノアグ(Wampanoag) のリーダーの女性の話です。展示によれば、乗船した女性たちのうち生き残ったのはたったの4分の1で、その中には10代だった女性もおり、せっかくプリマスに到着しても生き残ることだけで精一杯であったということ、また夫を亡くしてしまった女性には家や土地を所有する権利が与えられなかったことが伝えられていました。その悲哀や苦労がより鮮明に伝わるように、文字の説明だけでなく、当時の女性に扮した役者が自分の体験であるかのように語るビデオがあちこちで上映されていました。ワンパノアグ族の長を務めていた女性の話も上映されていましたが、新たな大陸から急にやってきて先住民族の生活を侵した人々の配慮の無さには悲しくなりました。また、ワンパノアグ族では大昔から男女が平等で、リーダーを女性が務めていたのも珍しいことではなかったようですが、入植者たちによって男性優位の社会システムが強制されてしまったことも伝えられており、またさらに悲しくなりました。加えて、入植者たちが持ち込んだ感染症のせいで、免疫のない先住民族が大量に亡くなったそうで…胸を痛める歴史ばかりです。見応え十分の博物館なので、時間があったらもっと居たかったのが本音です。

マーサズ・ヴィニヤード島 (Martha’s Vineyard) – 島から最寄りのファルマス (Falmouth) という町に車で向かい、そこからフェリーに乗って島へ渡ります。私たちは車ごと乗船し、島内でも車で移動ができるようにしました。フェリーはこちら。(夏は滞在客が激増するそうなので、あらかじめフェリーの予約をしておくのをおすすめします。特に車ごとフェリーに乗る場合は、船に載せられる車の台数に制限があるため早めの予約が良いです)

私にとってマーサズ・ヴィニヤード島といえば、ギルモア・ガールズ (Gilmore Girls) で何度も聞いた地名!ギルモア家の祖父母が別荘を所有する島で、最初はvineyardと言うから誰かのブドウ園なのか?と勘違いしていた場所です。裕福で気高い祖母エミリーが誇らしく思うような土地であり、別荘地として人気のセレブな島です。島内のあちこちに素晴らしいレストランがあり、予約推奨です。

フェリーを降りてすぐのところにあるThe Black Dog、島内のエドガータウンにあるAtlantic Fish & Chophouseを訪ねましたが、どちらもおいしかったです。上の写真では、クラムチャウダー、ムール貝、カラマリ、ロブスターサラダを食べています。最高でした。日中は、フェリー乗り場の近くやエドガータウンのお土産物屋を見て回ったり、島の西の端にある灯台 (Gay Head) までドライブを楽しんだりしました。遮るもののない広い空を見ていたら凧あげがしたくなり、近くのおもちゃ屋で凧を買って夫と遊びました。

凧の高度を上げまくる夫。

夕方からは、夫の職場の上司ご一家の滞在しているお宅を訪問して一緒に夕食を食べ、おいしいチーズとワインを楽しみました。このご夫婦の影響で、これまで赤ワインに馴染みのなかった私がだんだんとそのおいしさにハマりだすことに…。

週末だけの短い滞在でしたが、夏を過ごすにはぴったりの場所でした。帰りも行きと同じで、フェリーに車ごと乗船しそのままボストンまで運転して帰りました。