『Book of Mormon』観劇

海外ドラマ・映画・演劇

北京出身の夫の友人がブロードウェイ・ミュージカル好きで、お互いに見てみたかった『Book of Mormon』をEugene O’Neil Theatreで年末に見てきました。

会場の様子

ストーリー (全部書くと長いので途中まで)

ソルトレークシティにあるモルモン教の「トレーニングセンター」で、若い宣教師たちが布教のための訓練をしている。彼らはこれからペアを組み、宣教活動のため世界各国へ派遣されることになっている。宣教師のひとりElder Priceは、意欲的な若者で布教活動にもやる気満々。彼の夢は、ディズニーワールドのあるフロリダ州オーランドに派遣されることだ。ヨーロッパやアジア諸国に派遣される仲間たちの名前が読み上げられるなか、遂にElder Priceも名前を呼ばれるが、あまり親しくないElder Cunninghamとペアを組まされてしまう。加えて、彼らの派遣先はウガンダであると告げられる。呆然とするElder Price、「それってどこだっけ?」とこぼすElder Cunningham。

ひとまず2人はウガンダへ向かい、先輩の宣教師たち、村の住民たちと知り合いになる。初めは真面目に布教活動をしようとしていたElder Priceだが、先輩たちの頑張りも虚しく、これまでに信者になってくれた村人がゼロだと判明する。状況は厳しいが、自分が村で最初の信者を生み出せるかもしれないと奮起するElder Price。村人を集め、モルモン書の歴史を流暢に語って聞かせる。しかし、村人たちからすれば、蔓延するエイズを解決できたり、女性に日常的に加えられる危害を防ぐことができたりする具体的な策やアイデアを学べないのなら、信仰したって意味がない。暴力と脅迫で村を牛耳る「将軍」も、村人たちの悩みの種であり、突如現れた彼の恐ろしさを目の当たりにしたElder Priceは村を去る決意をする。

ペアを一方的に解消され、ひとり残されたElder Cunninghamは、村娘のNabulungiからモルモン書についてもっと教えてほしいと頼まれる。Nabulungiは、Elder Priceの話にあった「Sal Tlay Ka Siti (=Salt Lake City)」という楽園に希望を見出そうとしていた。Elder Cunninghamは、彼女や村人たちを惹きつけるため、ついつい創作のストーリーや解釈をでっち上げてしまう。村人たちに大いに気に入られたElder Cunninghamは、あっという間に信者を増やすことに成功する。そしてその実績は本部の目に留まるところとなり、ある日視察団がElder Cunninghamたちの元を訪ねてくるのだが…?

感想

友人のお陰で前から3列目あたりに座ることができ、エネルギッシュなダンスと豊かな表情変化を見て楽しむことができました。間近で見るのにおすすめの演目です。

宣教活動を成功させる理想の自分を想像するものの、いざ村の悲惨な現実を目の当たりにするとどうすることもできなくなってしまうElder Priceに対し、一見頼りなさそうでありながら、村人に親身に接し仕事を投げ出さないElder Cunninghamという対比が面白かったですね。じっくり主演を務める2人の素晴らしさはもちろん、宣教師の先輩たちが何役も衣装を変えて演じているのには驚きました。おっかない将軍でさえも、どこかコミカルな面を見せる時があり、会場に笑いをもたらしていました。お下品なセリフが作品の中で重要な役割を果たすことがあるので、可能であれば歌部分の予習をしていくとよく意味が分かると思います。

夫はこれまで見た中で、この『Book of Mormon』が一番のお気に入りになったようです。私もたくさん笑いながら観ました!