サバイバル・キャンプに参加!

アメリカ

私が免許の実技試験練習をしていた1月上旬、夫はアリゾナ州で過酷な毎日を送っていました。年始の1/5から10日間かけて行われる、コロンビア大学MBA生を対象としたサバイバル・キャンプ企画に参加していたためです。この企画は、NOLS (National Outdoor Leadership School) という非営利団体の主催によるもので、参加者が野外活動を通じて環境倫理やサバイバルスキルを学びつつ、判断力やリーダーシップを培うことを目標としています。例年はアメリカ国外 (中南米) で開催されるらしいのですが、今年はアリゾナ州南東部にあるGaliuro Mountainsで行われることになりました。

この企画に参加するにあたって概要がまとめられているのですが、キャンプの素人を怖気づかせる文言があります。

Please note that this course is physically and mentally demanding and an honest medical attestation will be required for submission to NOLS. Students will hike and camp for nine evenings, sleep outside (in tents) regardless of weather conditions, and must prepare their own meals.

(このコースは肉体的にも精神的にも過酷であり、偽りのない医療証明をNOLSに提出する必要があります。学生は9日間、天候に関わらず長距離を歩き、野外で就寝することになり、自分自身の食事を準備しなければなりません。)

https://www8.gsb.columbia.edu/chazen/study_tours/2021_NOLS_Southwest

夫は「こんな機会そうそうないし、申し込んでみよう」と、応募した当時は明るい調子だったのですが、10日間の合宿を終えて「思ってたより5倍過酷だった…」と言っていました。誇張ではなく本当にdemandingだったというわけです。合宿に参加するにあたっていくつか我慢しなければならないことがあり、主なもので言うと、

  • 10日間シャワーを浴びることはできない (川の水を使うことはOK)
  • 電子機器は使用禁止 (スマホは不可、写真撮影にあたっては使い捨てカメラを推奨)
  • 初日にバッグに詰めたものだけで10日間生活する (途中での補給はなし。初日の荷物の重さは20~25kg)

これに耐えられる人でないと参加ができないので、面白い企画であるにも関わらず参加者は8人(+インストラクター2人)でした。幸いにも皆さんフレンドリーな方ばかりだったようで、10日間全員で協力し、最終日まで頑張れたようです。

荒野を行く猛者10名。
80L相当の大きさのバッグを背負い、歩き続けます。
バンダナの有用性に気づいた夫。
紙の地図を広げ、全員でルートの相談と確認を行います。日替わりでリーダーを立て、その人主導で大まかな移動プランを作成します。
雪道を歩くことも。
左2人がインストラクター。背が高いのは日中半袖で平気なカルロスさん。夫はそこら中に生えている藪から身を守るため長袖をキープ。
撮影時は皆笑顔を絶やしません(が、疲れている)。
毎日眠るテントは壁になる部分だけ作り、床部分は覆いなし。寒がりの夫は夜ありったけの服を着込んだそうです。視力の良い人は夜空の星を楽しめたんだとか。
合宿中はチャイが人気の飲み物だったそうです。ピザを作った日もあったらしい。

参加者のひとりはInstagramで、「毎日6時間、荒野、谷、雪の山道を歩いた。20kgを超すバックパックを背負い、10日シャワーが使えなかった。氷点下の状態で眠った。濡れて凍った靴を履き、足が膨張した。暗闇の中で料理した。用を足した後は石で拭った。地図とコンパスだけを使い、複雑な地形を進んだ。それでも何とかやり遂げ、生まれ変わった!」と投稿して、荒野の詩人に生まれ変わっていました…。合宿の終了後は、全員があらゆる現代の事物を見ては「civilizationだ!」と盛り上がったそうです。

無事に生還した後は、仲間たちとビールを飲んで良い締めくくりに。サバイバル合宿、お疲れさまでした~!

補足

  • 合宿参加にあたっては、NOLSからのレンタル品以外、REIで多くを買いそろえました。ハイキングに必要な服や靴は使い勝手の良いものが手に入るのでおすすめです。販売商品はアウトドア全般に対応しています。マンハッタン内だとSoHo店 (303 Lafayette St, New York, NY 10012) が便利です。