周遊旅行①ボストン~コロラド入りまで

アメリカ

2022年9月の2週目から3週間をかけて、マサチューセッツ州ボストンから、コロラド州南西部のテルユライド (+ユタ州モアブ) まで夫婦で車旅をしてきました。無事故無違反、その他トラブルにも遭うことなく、普段はなかなかできない大移動の旅行をすることができました。

このブログでは、3週間の旅を、①ボストンからコロラド州入りまでの道中 (毎日7時間強の運転)、②コロラド州・ユタ州観光地巡り、③上司のお宅があるコロラド州テルユライドでの3日間、④旅行の折り返し、中西部・南部の道中、⑤サウスカロライナからボストンまでの道中 と5分割して振り返ります。旅行前に書いた計画&準備編はこちら。今回はボストンからコロラド入りについてです。

旅行前、夫と私は、2人で交代しながら1日に運転できる最大時間が7~8時間だろうと見当をつけ、コロラド州入りまでの日数を4日間取ることにしました。

  1. ボストン (MA州) から バッファロー (NY州) – 7時間の運転
  2. バッファロー (NY) から インディアナポリス (IN) – 7時間半の運転
  3. インディアナポリス (IN) から カンザスシティ (MO) – 7時間10分の運転
  4. カンザスシティ (MO) から ライモン (CO) – 7時間20分の運転
写真右端のボストンからカンザス州を抜けてコロラド入りするまでを1日ずつ色分けしてみました。青→赤→青→赤の順におおまかな線を引いています。4日間で9州を通るルートです。最短はアイオワ・ネブラスカ州を経由する北ルートですが、夫が以前行ったことがあるため今回は通りませんでした。

この4日間でおよそ1,930マイル (=3,100km程度) を走ることになり、昨年中古車として買った自家用車1台が頼みの綱!念のため、事前にエンジンオイル交換や簡単な点検を近くの検査場でしてもらっていました。異常なし!車種はスバルのフォレスターです。

今回はとてもお世話になったのに、旅行中一度も車の写真を撮っていなかったことに気づきました。ものすごく愛着があるのですが、案外道中で写真を撮る機会ってないものですね…。

先にガソリンの話をしておくと、この4日間での給油回数は8回 ($296)でした。1度に給油する量は平均して10ガロン強で、ガソリン残量が1/4を切った頃に高速道路を降りて給油していました。

高速道路を走っていると、「Service Plaza」「Rest Area」「Picnic Area」「Gas / Food / Lodging – Exit 〇〇」といった青い看板が見えることがあります。給油ができるのは、高速道路内にあるガソリンスタンド付きのService Plaza、あるいは高速道路を降りたところにあるガソリンスタンドです。「Rest Area」や「Picnic Area」では休憩はできますが給油はできないので注意です。

私たちは現在Chaseのクレジットカードを持っているので、給油スタンドでカード払いをしました。アメリカで発行されたデビット/クレジットカードを持っていない場合は、機械が受け付けてくれないことが多々あります。その場合は店内のレジに行き、使いたい給油スタンドの番号と「〇ドル分ガソリンが欲しい」と言うと対応してもらえます。


さて、出発日は快晴!私たちはMA州からNY州Albanyを通り抜けて、ナイアガラの滝の最寄りの町Buffaloに向かいました。朝早めに出発しましたが、7時間以上の運転だったので到着したのは夕方4時前頃。夕方でもまだ明るく、何なら暑いくらいでした。ぎらつき始めた西日を受けながら、目的地の「風の洞窟 (Cave of the Wind)」を目指して Niagara Falls State Park内を歩きます。

9月の旅行であっても帽子&サングラスは必須ですね。お目当ての滝までは、園内の舗装された道を歩いていきました。Parking Lot 1から風の洞窟までは、歩いて片道15分ほど。巡回バスも走っており、バス停近くのチケット売り場で乗車券を購入できます。

「風の洞窟」入口に到着後は、チケット売り場で入場料を払い、進路上にある紹介ビデオを見つつ、先へ進みます。滝周辺の開発の歴史や、大規模水力発電所となるまでの話がまとめられており、面白かったです。

目的地へ向かうにつれ、滝の見学をし終えた人々とすれ違うのですが、全員なんだかテンションが高い。濡れた~!と言いながら (soakedとかwetとか、そういう単語が頻発) 、どこか誇らしげにこちらに話しかけてきます。そんな様子を見ながらさて我々も…と先へ進みます。

風の洞窟はこんな感じです。滝のすぐそばに足場が組んであり、自由に見学することができます。滝が凄まじい速さで流れ、とんでもない水量が流れ込んでいる様子を目の当たりにすると、人はどうやら気分が高揚するようです。周りにいる人たちは全員もれなく大笑いしていて、各自撮影を楽しんでいました。そんな中ただ一人、激しく水の流れ込む足場に腰かけ、まるで滝行をするかのように厳粛な顔で大自然を感じていた男性がいました。楽しみ方は人それぞれ…。
滝が一番近くで感じられる場所で撮影。普段だったら絶対に水しぶきの中に入っていくことなんてないですが、皆が嬉々としてこの場所に向かうのが面白い。水しぶきを受けすぎて、夫のiPhoneはこの後一時使用不能になりました (数日後、急に復活)。支給される雨合羽の中に帽子を仕込んでおくと、顔があまり濡れないのでおすすめです。

風の洞窟ヘ向かっていたときは、照り付ける西日が暑かったですが、滝の水を浴びて駐車場に戻る道中はとても涼しかったです。Niagara Falls State Parkを後にし、30分程度車に乗ってBuffalo市内の宿泊場所 (Airbnb) に向かいました。セミリタイアしているご夫婦のお宅の2階がゲストルームとして貸し出されており、お話を聞くと、これまでに数百人が宿泊してきたとのこと。2階には世界地図が掲げられており、「あなたたちの出身地にマップピンを刺してね」と言われました。地図を見ると、私たちよりも前に東京の辺りから来ていたお客さんがいたようです。私たちは出身地・岡山のあたりにピンを刺しておきました。

夕食は、Airbnbオーナーおすすめのレストラン「The Left Bank」(511 Rhode Island St, Buffalo, NY 14213) へ。予約はしていませんでしたがたまたま入れました。夕食時だったので照明の灯りは暗めで、何やら雰囲気のいいお店です。日替わりメニューのキノコのスープとシーフードパスタ、地ビールを注文しましたが、どれもおいしかった!気分よく宿泊場所へ帰り、夫は早めに寝て、私は友人に手紙を書いたりしてから寝ました。


2日目も朝から行動です。ニューヨーク州バッファローからペンシルべニア州を通り、オハイオ州まで一気に進みました。サングラスをかけていても眩しい!途中、昼食のためにコロンバス (オハイオ州)に立ち寄り、韓国料理店「So Gong Dong Tofu & BBQ Restaurant」(2950 Hayden Rd. Columbus, OH 43245) に行きました。NY、NJ、MA、IL州にも展開している人気店のようです。私たちは旅行中、2日に1回くらいはアジア料理の店に行き、英気を養うことにしています。麺類とかチャーハンとか、無性にそういうものが食べたくなるんですよね。

食後はまた運転、インディアナ州のインディアナポリスへ向かいました。この日の宿泊場所もAirbnbで、大学院生の女性が犬と一緒に暮らしている物件の2階の部屋を借りました。部屋やバスルームの説明書きが全部かわいらしい手書きになっており、心をくすぐられます。少し休憩した後は、オーナーおすすめのローカルレストラン「The Flatiron」(605 N Pennsylvania St, Indianapolis, IN 46202) へ。

昔ながらの酒場風の店内。くつろいで食事とお酒が楽しめるお店です。チキンとポテト、サラダ、地ビールを注文。アメリカに来てから、こういうフルーツたっぷりのサラダを食べるようになって、気に入っています。家でサラダを作るときも真似ています。

夕方には雲行きが怪しくなり、雨が降り始めました。小走りで宿泊場所まで帰宅!疲れていたのでこの日も早めに寝ました。


3日目は、インディアナポリスを出発し、西のミズーリ州に向かいます。途中、ミズーリ州のセントルイスに立ち寄り、ベトナム料理店でお昼ご飯。私の好きなフォーを食べたのですが、店内にハエがたくさん飛んでいて、それが残念でした。

その後はひたすらI-70を走り、ギリギリミズーリ州内にあるカンザスシティへ。隣にカンザス州があるのにややこしい地名ですよね。まっすぐ宿泊場所 (この日もAirbnb) へ向かいました。今日の宿は、自然豊かな住宅街に建つ一軒家の裏側にあるゲストルームで、まるまる貸し切りです。家の表側と裏側でそれぞれ違う入り口があり、ゲストは裏側の扉を自由に出入りできるようになっており、気楽です。こういう、自分たち以外の人を招くことができるスペースがあるのは良いよな~と、Airbnbに泊まる度に思います。荷物の整理を終えた後は、いつものようにオーナーおすすめのローカルレストランに行くことに。「Q39 – Midtown」(1000 W 39th St, Kansas City, MO 64111) というお店に行きました。人気店のようですが、早めに行ったので予約なしでも入れました。カンザスシティ流のバーベキューを味わえるお店で、日本の焼肉店のような雰囲気です。次々と恰幅の良いお客さんが店内へ…。店員さんの動きが非常に素早く、ビールは5秒くらい(直行)で出てきました。

Smoked Beef Brisket Poutine (フライドポテトの上に牛肉、さらにチーズがかかった大変な一品)、Q Pork Spare Ribs (はちみつ系のBBQソースがかかっています。豆とコールスローの付け合わせは自由に選択できますが、店員さんのおすすめを選びました)、Wood-fired Grilled Salmon Salad (サラダ、の上にグリルされたサーモンが載っている、これまた大変な一品)。

レストランでは、試食並みの少量だけを食べ、残りは全部持ち帰り。味はとてもおいしいんですが、量にまず圧倒されます。残りは、翌日丸1日かけてなんとか食べ切りました。レストランを出てもまだ明るかったので、重いお腹を抱えて町の中心部へ。何やらにぎわっている様子。どうやらこの日は、カンザスシティのアメフトチームがちょうど試合をしており、BBQ店内のテレビでも放送、道行く人々は赤のユニフォームを着用、道行く車の赤色率も高い!チームカラーが赤なんですね。そしてこんな場所も赤かった。

カンザスシティには各地にアーティスティックな噴水があり、こちらは有名なものの一つ「Fountain in Mill Creek Park」(47th Mill Creek Pkwy, Kansas City, MO 64111) です。ショッピングエリアのCountry Club Plaza近くにあります。地元アメフトチームの必勝祈願か、彫刻からも赤色の水が噴き出す!私は普段赤いものを全くと言っていいほど身に着けないので、赤に囲まれた町は新鮮でした。

噴水前で写真を撮り、スーパーへ寄って宿へ戻ります。毎日長時間の運転をしているので、常に夕食は早め、寝るのも早めというサイクルが染みついてきました。

Airbnbはキッチン・冷蔵庫付きの宿が割とあるのが嬉しいです。

4日目の朝、夫は電話会議があるということで、部屋で忙しそうにしています。一方の私は、この日の運転がただひたすらにI-70を西に向かって走り続けることになる (7時間20分ほぼ同じ景色) と分かっていたので、車内でも食べられるように、前日に大量に持ち帰ったBBQメニューをお弁当化することにしました。骨付き肉は骨から肉を削ぎ落し、サラダも取り出して、スーパーで買っておいたパンに挟んでサンドイッチを作成!事前準備で車に積んでおいたタッパーやサランラップ、アルミホイルが活躍します。ドリップコーヒーと小さいボトルのミルクもスーパーで入手していたので、コーヒーもついでに作ります (コーヒーはミルクを入れる派)。水筒も数種類 (3本くらい?)タイプの違うものを車に積んでおいたので、洗いやすい水筒をコーヒー用に。とかなんとかやっていたら夫の電話も終わったので、カンザスシティを後にし、カンザス州を1日かけて通過する日の始まりです。

まずはガソリンの補充から。カンザスシティは便利なことに、コストコのガスステーションが街中にあります。行ってみたところ、行列もなく、そして安い!これでもかとガソリンを満タンまで入れ、カンザス州横断に向けて気合を入れます。

4日目にして最安値の3.089ドル/ガロン。旅行中にこの記録は破られないだろうと思っていましたが、旅の後半、ミシシッピ州のガソリンスタンドが2ドル台をたたき出し、コストコ神話は崩れたのでした。

さて、I-70に乗り、広漠とした景色が続く中、高速道路上に何やらちょっと良さそうな休憩場所 (Topeka Service Area / 8000 I-70, Topeka, KS 66608) を発見。飲食店・ガソリンスタンド付きの休憩エリアなのですが、お店から少し離れた木陰にテーブル&ベンチがある。ここでお昼だ!

サンドイッチと昨日の残りを詰め直したもの。きれいに移し替えるだけで、残り物もなぜかいい感じに見えます。気候もちょうどよく、コーヒーを飲みつつしばし休憩です。カンザスシティのスーパーで買ったパンは、地元のパン屋さんが作ったMulti-grainのパンでした。おいしくて嬉しい。

サービスエリアを後にし、またお馴染みのI-70を走り続けます。そういえば途中、Topeka周辺の区間は有料道路になっており、料金所がありました。だからなのか、道路がよく整備されていて走りやすかったです。視界を遮るものがほとんど何もないような道を延々走り、追い抜いたり追い抜かされたりするのがトラックばかりになるのも、この辺りでした。乗用車の方が少なかったです。長距離トラック運転手の皆さんと肩を並べ?つつ、まぶしい夕陽に目を細めつつ、走る走る走る。そうこうしていると、コロラド州との境を越え、宿があるライモン (Limon) に到着しました。初耳の地名ですが、この日運転できる限界がこの辺りまでだろうと思って選んだ町です。

高速道路を降りてみると、宿泊施設がいくつもあり、私たちのように目的地に行くまでの中継地として滞在する人が多いだろうことが想像できました。泊まったのは、La Quinta Inn & Suites by Wyndham Limon (1200 Market Pl, Limon, CO 80828) です。まだ改装してそれほど経っていないためか、新しくきれいで、スタッフも感じのいい人ばかりでした。2階の奥にコインランドリーがあるので、この日までで溜まっていた洗濯物を一気に洗いました (集めていた25セント硬貨がここで役に立ちます!)。コーヒー(レギュラー / デカフェ 両方あり) や、お湯が1階に常備されているのも嬉しかったです。夜はレストランには行かず、これまでの残り物を食べるので十分でした。旅行中はつい食べ過ぎるので、注意が必要ですね。

というわけで、とても長くなりましたがこれが旅行の1記事目です。5記事目まで書けるかどうか…見守っていただけると幸いです。