周遊旅行②コロラド・ユタ観光地巡り

アメリカ

2022年9月に行った、3週間のアメリカ横断旅行の振り返りです。前回の「周遊旅行①ボストン~コロラド入りまで」はこちらから。

今回の行き先を地図で見るとこんな感じ。4日間での給油回数は3回 ($98.2) でした。

旅の5日目から、ようやく観光らしい観光の始まりです。まずはデンバーに立ち寄りお土産物を調達。ショッピングモール内にある「I Heart Denver」 (500 16th St Mall #264, Denver, CO 80202) で、贈り物やらコロラド土産のコースターなどを買いました。品揃えが良く、ご当地物が欲しい人にはぴったりのお店でした。

国立公園や観光地のギフトショップで売っている、このシリーズのコースターやポストカードが好きです。

早めにデンバーを後にし、次はコロラドスプリングスへ向かいます。車で1時間15分ほど。目的地は、巨大な赤岩群が見られる「Garden of the Gods」(Colorado Springs, CO 80904) です。こちらでは入場料はなく、複数ある駐車場のうち好きなところに車を停めて、赤岩周辺を散策できるようになっています。この場所は元々、コロラド州での鉄道事業発展に寄与し、「コロラドスプリングス」という町を作ったWilliam Jackson Palmer氏が、友人であり「シカゴ・バーリントン・クインシー鉄道」の社長を務めていたCharles Elliot Perkins氏に勧めて購入させた土地なのだそうです。Palmer氏から「この土地を買って家を建て、鉄道網も拡大しましょう!」と言われていたPerkins氏は1879年に240エーカーの土地を購入します (NYのメトロポリタン美術館なら5個分近くに相当する広さです)。Perkins氏は、購入した土地の一部には家を建築したものの、独特な景観で目を楽しませてくれる赤岩群についてはそのまま保存することに。彼の死後、遺志を継いだ子孫たちは、コロラド州と交渉し、州によって公園として管理されるように計らったとのことです。まさか私有地だったとはと驚きました。

ちょうどお昼時ということもあり、グッドタイミング!赤岩を眺めつつ、準備していたおにぎりとお味噌汁のお弁当を食べました。今回、「トラベルマルチクッカー」という電源さえあれば調理ができる小型の鍋とお米、ふりかけ、海苔を持ってきていたため、朝のうちに作っておいたのです。インスタントのお味噌汁もスープジャーに入れてきていました。ささっと食べて、観光開始です。

こんな感じの赤い岩が連なっています。歩道が整備されており、車いすや高齢の方もゆったりと楽しんで見学していたようでした。
ぐるっと周って観光できるようになっています。岩の天辺に木が生えているところもあり、どうやって育っているのか気になりました。
ロッククライミングの現場を見ました。事前にPermitを取得している人だけ、登ることができるようです。調べてみたところ、Half Day (4時間)か、Full Day (6時間)のコースを選んで予約するようになっており、費用は$195 (Half Day) / $240 (Full Day)。登山技能のレベルは問わないそうです。

こんな赤岩を見ると、中西部に来た~という感じがして盛り上がります。迫力の景色を見た後は、車で15分ほどのところにあるマニトゥスプリングス (Manitou Springs) へ。「あちこちで湧き水が飲める」という情報を事前入手していたので、体験してみたかったのです。行った場所は、町中にある「Shoshone Spring」(902 Manitou Ave, Manitou Springs, CO 80829)。初めて飲む味がしました。天然の炭酸水だそうで、せっかくなので水筒に詰めてしばらくの間飲んでいましたが、癖になりそうでした。ネイティブアメリカンはこの炭酸水を飲むことによって、体の治癒効果を得ていたのだそうです。

湧き水は、飲む場所・季節によって全て異なる味がするそうです。数日の車旅をした疲れはこれで癒されたでしょうか…

町の中心部はメインストリートであるManitou Avenue沿いに広がっており、レストランもお土産物屋も集結しています。お店を散策しつつ、夕方には地ビールを出している「Manitou Brewing Company」(725 Manitou Ave, Manitou Springs, CO 80829)でひと息つきました。近隣にある山、Pikes Peak付近から出ている水を使っているとのことで、ちょっと苦めの味がした記憶があります。また、夕食はすぐそばの「Mona Lisa Fondue Restaurant」(733 Manitou Ave, Manitou Springs, CO 80829) に行きました。チーズフォンデュレストランで、コースorアラカルトで注文することができます。定番は、サラダ、フォンデュ (野菜やフルーツにかける)、焼き物 (肉・魚・野菜から選択)、デザートだそうですが、焼き物にたどり着く前にほぼ満腹になり、デザートは注文せず。残った分は持ち帰り、翌朝食べましたが、時間が経ってもおいしかったです。宿泊は、車で15分ほどのところにある「The Outlook Lodge」(6975 Howard St, Green Mountain Falls, CO 80819)へ。町の観光案内ページに紹介されていた宿泊施設の中から見つけて予約しました。山荘風のデザインがかわいらしかったです。


6日目は、車で2時間半をかけて「Rocky Mountain National Park」へ。Estes Park側からの入場です。こちらの公園は、春~秋の観光シーズン (2022年は5月27日から10月10日まで) に車で訪ねる場合、Timed-entry ticketの事前購入が必須です。メインのBear Lake Roadに行きたい、かつ朝5時から夕方6時の間に入場したいときはチケットを入手しておきましょう。予約はこちらから。車1台に付き$2で、予約した時間枠から2時間以内に入場すればOKという仕組みになっています。私たちは午後2時からの枠を確保していました。

入場ゲート近くに到着すると、待機列ができていました。

10分くらい待機していました。

ある程度前に詰めると、チケット売り場の外にいるスタッフが1台ずつ声をかけていました。私たちのところにもやってきて、「時間指定パス」と「入場パス」の両方を既に持っていれば、待機列から出て先に中に入って良いよとのことでした。私は事前に「America The Beautiful」パスを買っていたので、これをID (運転免許証) とともに提示しました (購入のいきさつについてはこちらに書きました)。

待機列をさっさと抜けて意気揚々と園内に入ったのですが、ここでミスをしてしまいます。①チケット売り場を回避したため、国立公園でもらえるお馴染みのパンフレットをもらいそびれた、②Bear Lake Road行きではない方の道を進んでしまった。

メインの見どころであるBear Lakeは、ゲートを抜けて割とすぐのところで「左折」をしなければならず、気づかなかった私はただまっすぐ道を進んでしまいました。まっすぐ行ってしまうと、Uターンをしない限り30分以上は元の場所に戻ってこられないため注意です。国立公園は広いですね…。私たちは「あれ、何かおかしいな…?」と言い続けながら、結局ぐるりと園内を周る羽目になり、待機列回避で稼いだ時間をおそらく無にしてしまいました。いや、マイナスか?そんなこんなで、しくじったな~と思いながらも、最終的にはBear Lake方面の道に向かうことができました。その途中「Bear Lake最寄りの駐車場が満車」という看板が出ていたので、大人しく近くのPark & Rideに立ち寄り、駐車してシャトルバスに乗ることに。おや…雲行きが怪しくなってきた。夫は雨でも大丈夫な上着を羽織って準備。私は軽い上着だけにしてしまって、後ほど失敗。私たちと同じくバスに乗る皆さんは、ちゃんと雨対策がばっちりできていて感心しました。

バスに乗り込むと、運転手は気合の入ったタトゥーを腕全体に彫りこんでいる…おじさん!近所のお父さんっぽい雰囲気の中年男性からは想像できない、凄みのあるタトゥーでした。そのミスマッチさに気を取られながらシャトルバスに揺られることしばらく…Bear Lakeに到着!しかし、やはり雨がパラパラと降ってきました。ちなみに、満車と書かれていた駐車場はたくさん空きがありました。

天気が良ければとても美しい光景が見られると噂のBear Lakeです。山の天気の変わりやすさを実感しました。一番簡単な湖一周コースを歩きました。

雨が降り、気温が下がってきたので、他のトレイルはまたの機会ということに。湖の一周後はシャトルバスに乗り、座席にいる皆さんのカラフルなウインドブレーカーを眺めていました。全員並べたら虹色が作れそうなくらい、多種多様。近々REIとかで買おうかな~とぼんやり考えていると、Park & Rideの地点まで戻ってきました。車を回収し、今日の宿泊地であるグレンウッドスプリングス (Glenwood Springs)へ向かいます。公園を出る間際には、チケット売り場に立ち寄り、もらいそびれていたパンフレットも入手。このパンフレットシリーズは、国立公園に行った記念になりますね。いつかきれいにファイルに綴じようと思っているところ。

グレンウッドスプリングスへはここから4時間近くかかるので、すぐ出発です。来た時と同様、Estes Park側から出て、夕食をとるためにボールダー (Boulder) 方面へ向かいました。ロハス発祥の地として知られている町だそうですが、時刻はもう夕方、加えて次の行き先があるため、ロハス的なあれこれはスキップ。安定と安心の中華のお店を検索し、「Jin Chan Zhang Restaurant」(2835 28th St, Boulder, CO 80301) へ行きました。豚肉の焼うどん的なものを私は注文したのですが、びっくりするくらいおいしくて、我を忘れて食べていました。夫が頼んだメニューは、なぜか「食べても食べても量が減らない」と思わせるほどの大容量でしたので、いつも通り持ち帰りました。

ロハスよりも中華を心行くまで楽しみ、出発です。天気が悪いため暗くなるのも早く、雨はますます強くなり、フロントガラスがまるで滝行をさせられているかのように視界不良になっていきました (普段たまにこの現象に遭遇しますが、本当に危ないですよね。事故車もよく見かけます)。しばらく進むと雨が弱まり、山ルートからI-70に道が切り替わりましたが、目的地のグレンウッドスプリングス方面の道が閉じられている。閉鎖されている道付近には、たくさんのトラックや乗用車が停車しており、何事かと思いました。どうやら、ひどく雨が降っていたせいで水が溢れかえっている地点があるようで、一時道路を塞いでいたようです。夜7時半頃のことでしたが、今日中にホテルに着けるのか?と心配でした。幸いにも、早めに道路の封鎖が解除され、I-70に乗り直すことができました。夜8時を過ぎると高速道路上は本当に暗く、前の車のテールランプを頼りに走り続けました。そして、やっと町の明かりが見えてきた!グレンウッドスプリングスに到着です。

この日の宿泊は、「Glenwood Springs Inn」(141 W 6th St, Glenwood Springs, CO 81601)。モーテルに近いですかね。3台ベッドが置いてある広めの部屋に通してくれて、余っている1台を使わなければ追加料金は取らないよとのことでした。長期旅行者には嬉しいコインランドリー付き。25セント硬貨が減ってきたところだったので、受付で両替してもらいました。到着が夜の9時を過ぎていて、かなり疲れていたのですぐ就寝。


7日目は、リラックスの日。グレンウッドスプリングスは、その名が示す通り温泉で有名な町で、町に入ると、硫黄の匂いがし始めます。この日することは、午前中温泉に入る、午後3時間ほど運転してホテルに行く、これだけ。毎日1.5~2時間おきに交代しながら運転を続けてきた私たちですが、一週間も経つとかなり疲労度が増すようになりました。そんな中での温泉はとてもありがたい。行ってきたのは、「Iron Mountain Hot Springs」(281 Centennial St, Glenwood Springs, CO 81601) です。

おお~温泉地っぽい!と、着くなりテンションが上がりました。

こちらの温泉に行く場合は、事前予約していくのがおすすめです。入場時間を予約し、そこから3時間以内の滞在であればOKという仕組みです。アメリカの温泉あるあるですが、水着とサンダルの持参を忘れないように!温泉の利用の仕方は、日本で言うところの温水プールのような感じです。タオルは入場時に渡してもらえます。

温泉は全て露天風呂で、16のお風呂 (温度はそれぞれ微妙に違いますが、お湯の内容は同じ) に分かれています。混んでいなければ、1つのお風呂を家族やグループで貸し切り状態にできるところがいいですね。お風呂ごとに段差があったり植木が配置してあったりするので、ある程度プライバシーの配慮もなされている印象です。コロラド川沿いにあり、山も見え、とにかく眺めが良いです。
入るお風呂を替えながら、皆さんゆったり過ごしています。私は頭を空にして浸かっていましたが、夫はKindleを読んでいました。ここでも手持ち無沙汰な状況を作らない性格が表れています。

温泉には2時間ほど滞在し、お昼ご飯へ。今日もなんだかアジアンなものを食べたくなり、車で近くの「Zheng Asian Bistro」(35 Market St Unit C, Glenwood Springs, CO 81601)へ。何やら人気店のようで、続々とお客さんが来ていました。私は好物のパイナップルチャーハンを、夫はグリーンカレーを注文。お手頃でおいしく、人気店の理由が分かるお店でした。アジア系の店員がいなかったのが意外でした。

昼食後は移動です。7日目にして遂にコロラド州を抜け、ユタ州へ入ります。I-70を走る道中にあったView Areaに立ち寄ってみましたが、これはまさに私たちが運転しているときの周辺環境をよくとらえたものだと思います。

こういう道を延々走りました。
サングラスを突き抜けるような午後の日差し。車の走行中、様々な虫や土埃の襲来によってフロントガラスがとんでもなく汚れました。雑巾とガラス用のスプレーを車に入れておくと、すぐに掃除ができて良かったです。
遂に速度制限80mphの看板が登場しました。130km/h程度ということですが、皆さんさらに高速で走り抜けていきます。

走り続けること3時間、お目当てのアーチズ国立公園 (Arches National Park) があるユタ州モアブ(Moab)に到着しました。宿泊は「Scenic Inn & Suites Moab」(2701 US-191, Moab, UT 84532) です。このホテルも清潔で良かったです。コインランドリー付きなので、こちらでもたまった洗濯物を処理できました。夜は残り物と近くのスーパーで入手した、レンジで温めて食べられる冷凍食品で済ませることにして、次の日の朝に備え早めに寝ました。


8日目です。朝6時!私たちは「アーチズ国立公園」の入場ゲートを通過しました。

アーチズ国立公園は、ロッキーマウンテンの時と同様、Timed-entryチケットの事前予約が必須です。朝6時から夕方5時の間で入場したい場合は、こちらのRecreation.govから予約をしておきましょう。アーチズは競争率が高く、しばらく前から狙っていても、午前中の訪問しやすい時間帯の枠を押さえるのは難しいかもしれません。ただ、訪問希望日の前日、もしくは当日の早朝にチェックすると、予約可能枠が増えていることがあるので諦めは禁物です。私も前日の滑り込み予約で、朝6時~7時入場のチケットを購入できました。

入場時は、このTimed-entryチケット (QRコード) と、入場パス (私の場合はAmerica The Beautifulパス)、ID (私の場合は運転免許証) の3点セットを提示します。入場したものの、真っ暗。園内を車で進むにつれ、だんだんと岩の様子が見えるようになってきました。

不思議な形に削れた岩は神秘的ですね。この公園も非常に広く、目的のスポットに行くまで30分以上は運転しました。
朝7時頃。Delicate Archと呼ばれている岩を見るため、最寄りの駐車場に車を停め、歩き始めます。ここからが大変だった…。
最初、砂利のようだった道はだんだん岩へと変わっていきます。上り下りを繰り返しながら山歩きしていると、私はすぐに心拍数が上がってしまいました。途中、爽やかなアウトドア系カップルや、いかにも登山家という風情の男性が、Hello!と言いながら軽快に追い抜いていく場面もありました。このトレイル自体は、高齢者や子どもも見かけたので特別厳しいものではなさそうです。ただ、結構歩くので、往復で2時間近くはかかるかもと思っておいたほうが良さそうです。
時間の経過とともに明るく暖かくなってきて、水筒の水を飲み干しそうな私。この辺りは残り3分の1ほどの地点です。朝早めに上り始めると、涼しいときに上りを終えられるので良かったです。
目的地は目前です。高いところから見下ろす景色が雄大です。
これがお目当てのDelicate Archです。私は離れたところから写真を撮影して満足しましたが、アーチのすぐそばまで近づくことも可能です。アーチ下に、序盤で私を爽やかに追い抜いて行ったカップルの姿が。アーチ下までの道は写真でも分かる通り斜めになっており、健脚そうな大人だけが奥まで進んでいたように見えました。
見回すとこのような景色が続きます。片道45分くらい、雨が降ったり止んだり晴れたり、天候はコロコロと変わりながらの道中でした。疲れた分、Delicate Archに着けたときの達成感は大きく、わざわざ足を運んでよかったと思いました。
Visitor Centerに展示してあった看板によると、他にもたくさんの名所が。私たちは時間の都合で少ししか周れませんでしたが、丸一日かけても全てを周り切るのは難しそうなほどのボリュームです。

Delicate Archの後、別のアーチを見に行きましたが、突然の大雨に見舞われました。おかげですっかりびしょ濡れに。車内に着替えやタオルを積んでおいてよかったです。山の天候は本当に変わりやすいことを、ロッキーマウンテンに引き続いて学びました。ホテルのチェックアウト時間が迫っていたのでアーチズを後にし、ホテルに戻って濡れた服を乾かすためにまたコインランドリーへ。午後からの上司のお宅訪問前に、全ての洗濯物を終わらせておくことができました。

アーチズがあるユタ州モアブからコロラド州テルユライドまでは、車で2時間40分ほど。旅行8日目の午後、ようやく上司ご一家と再会です!