Learner’s Permitを取得する

日常生活

これまでは、渡米してからしばらく国際免許証を使ってレンタカーを利用してきた夫と私ですが、今後も引き続きアメリカでの生活が続くため、ニューヨーク州の免許を取得することに決めました。車を運転する上での技能証明として重要なのはもちろん、強力な身分証明となるのが魅力的です。こちらで生活していると、あらゆる申請を行う際に「〇点分の身分証明書類を提出せよ」と求められがちですが、米国免許証はとりわけ高得点を稼ぐことのできる証明書です。

残念ながら、ニューヨーク州は、たとえ日本で免許を持っていても免許書き換えの対象とはならず、一から申請し、筆記試験から最後の実技試験まで通過することが定められています。

免許証取得までの道のりは、

  1. 筆記試験に合格する
  2. 最寄りのDMV(陸運局)で諸手続き (点数分の身分証明書類と筆記試験合格結果を提出、視力検査と写真撮影、手数料支払い) 、仮のLearner’s Permitをその場で受け取る
  3. 約2週間後、郵便で正式なLearner’s Permitを受け取る
  4. 5時間講習を受け、修了証をもらう (ドライビングスクールで授業を受けるorオンライン講習を受ける)
  5. 各自運転練習 (※21歳以上の米国運転免許証を持っている人を監督として同乗させる)、実技試験の予約
  6. 実技試験を受ける

2021/10/20現在、私は今上の⑤の段階です。

筆記試験の準備 – 何はともあれ、まずはDMVのLicenses, Permits & IDsという項目をよく読みました。読みつつ、私が申請したいのはClass D (自動車一般) の、Standardライセンスであることを確認しました。Standardライセンスは最もベーシックな免許証です。自分のソーシャルセキュリティーナンバーがある場合は、一段階上のREAL IDを申し込むことが可能です。2023年の5月3日から、Standardライセンスは米国国内線に搭乗する際の身分証としては使えなくなるそうですが、REAL IDライセンスは国内線で使用可能です。

筆記試験は、以下をこなせば十分合格できます!

DMVが載せているクイズと、上記3つのサイトの模擬テストが全部正解できるくらい覚えられたら実際の試験でも満点を取ることができます。筆記試験はDMVオフィスで受けられますが、現在はオンラインでも受けることができ、私はオンラインで受験しました。(※オンラインで受験する場合は、ID登録などの手続きが必要なため、こちらのSTEP 3を参照してください。) 全50問でしたが、事前に問題を多く解いていたのが功を奏し、見たことある問題ばかりが出題されました。オンラインの場合、一度選択肢を決めて次の問題へと移ってしまうと前の問題に戻ることができないので注意しましょう。解き終えるとすぐに結果が表示されます。

私は今回利用しませんでしたが、試験はどうやら日本語でも受けられるようです。日本語で準備を進めたい場合は、Fuji Driving Schoolのホームページを参照してください。

DMVで諸手続き – 筆記試験に合格したら、最寄りのDMVでLearner’s Permitの申請を進めるための来館予約を行います。私はコロンビア大学から最も近い、HarlemにあるDMVに行きました。予約時間に到着しても、同じような来館者が多くいるため待機時間が長めです(数十分)。持参すべき身分証明書類は個人によって様々なので、こちらから自分の提出書類を事前に確認しておきます。

私が提出したのは、

でした。

夫は、

  • 日本のパスポート
  • ソーシャルセキュリティーカード (原本)
  • アメリカの銀行 (Union Bank) のステートメント (1年以内に発行されたもの)
  • F-1ビザ (I-20)

の提出を求められたようです。

日本の国際免許証も持っていきましたが、私の担当者によれば「身分証明書類としてみなさない」という回答でした。担当者の基準が厳密かと言えばそうでもないような感じだったので、証明になりそうなものは何でも一応持って行っておくと安心です。

担当者からOKが出たら、近くにある簡易的な撮影場所で免許証用の写真を撮ります。その場ではどんな写真になったのか一切分からないのがちょっと怖いですが、後日届くLearner’s Permitにはセピアっぽい、ピントが鮮明過ぎない仕上がりの写真が入ります。

その後、手数料の支払いと簡単な視力検査 (私はなぜか視力検査されませんでした。…いいのか?) を終えたら仮のLearner’s Permitを受け取ります。ただ、Standardライセンスか、それともREAL IDを希望するかということは聞かれなかったので、 REAL IDを申請したい場合は担当者に早めに確認を取ったほうが良いです (何も言わなければ自動的にStandardで処理されているようでした)。

5時間講習を受ける – カード型のLearner’s Permitが自宅に届いたら、5時間講習の申し込みをします。こちらも今はオンライン対応可になっていて、私はオンラインで受講しました(American Safety Councilの講習で、英語あるいはスペイン語に対応しています)。筆記試験のために勉強した内容の振り返りなのでスムーズに進めると思います。ここで習う道路の優先権(right-of-way)は特に重要で、実技試験のときも走行中に優先権の理解が正しくできているか、試験官が確認をするようです。すべての内容を終えたら修了の通知がメールで届きます。

実技試験の予約と運転練習 – ここまで進んだら、実技試験の予約を取ることができるようになります。ただ、現在は混み合っているので、普通にDMVのオンライン予約ページから日取りを決めようとすると、予約は取れても2か月以上先になる傾向にあります。(※10月下旬の現在は、多くの試験場で12月下旬~1月上旬が最短) 急なキャンセルで空きが出ることもありますが、その場合はかなり近い日程が提示されるので、試験のための運転練習があまり出来なかったり、試験日の同乗者(21歳以上でアメリカの免許を持っている人)を探すのが難しかったりというリスクを負うことになります。

私はニューヨーク州内、また他州でも何度も運転をしていて慣れている方だという自覚はあるのですが、実技試験では一般的に結構落とされるという情報を聞きつけていたため、直近の予約は避け、12月中に予約が取れる方法を探しました。

州内には無数のドライビングスクールが存在しますが、一般的な運転講習に加えて、「試験前指導&試験会場への付き添い&試験車両貸し」がパッケージとして販売されています。私の場合は付き添いとなる人が必要だったこともあり、申込することにしました。

日系のFuji Driving Schoolでも同様のサービスがあるようですが、日本語にこだわらない場合選択肢は多く、私はYelpでQueens・Westchesterエリアにある教習所のレビューを読み漁りました。

その中で、

  • 1時間単位(or 90分)のドライビングレッスンを提供している (= 初心者向けの10時間、20時間といったパッケージだけでなく、ある程度運転に心得がある人用に短い時間でのレッスンも提供している)
  • 指導料金が高額すぎない
  • 利用者からのレビューがおおむね高評価
  • 比較的落ち着いたエリアで運転練習ができる

といった特徴のある New York Auto School を利用することにしました。ちょうど昨日、1時間のドライビングレッスンを受けてきましたが、感じの良い教官が指導にあたってくれて、60分間に「一般的に減点されがちなところ」を説明しつつ、3ポイントターンや縦列駐車(Parallel Parking)のコツを教えてくれました。試験では、「どのくらい交通ルールを分かっているか&分かっているのをはっきり示すことができるか」が大切なようで、普段運転に慣れている人でも一度は教官に見てもらうのが良いと思います。このスクールでは、講習後に教官から今後の練習ポイントをまとめたメッセージが送られてきたので嬉しかったです。実技試験も、このスクール経由で希望会場の予約をしました。ちょっと先の日程ですが、それまでに練習を積んでおこうと思います。

Photo by Jackson David on Unsplash