ニューオーリンズでマルディグラ②

アメリカ

前回の記事はこちら (「ニューオーリンズでマルディグラ①」)。今回の記事は、前半がニューオーリンズ観光、後半がマルディグラパレードとなっています。


マルディグラパレードの中心エリアであるフレンチ・クォーター(French Quarter)地区は、ホテル価格が高騰していたため今回は宿泊せず、北東方面にあるホテル「Comfort Suites New Orleans East」(7051 Bullard Ave, New Orleans, LA 70128)に宿泊しました。ホテルからフレンチ・クォーターへは、車だと高速道路を利用して20分程度ですが、私たちは路線バス(RTA)利用で片道50分ほどをかけていました。私はまあ、Uber移動とかで良いかな〜と思っていたのですが、同行の友人が交通手段を調べ尽くしてくれており、「路線バスなら時間はかかるけど、1回$1.25で乗車できます!」と教えてくれました。RTAバスは夜遅くに乗車しても車内が危険という感じは全然なかったので、合計3、4回ほど乗りました。私たちは現金で料金を支払いましたが、事前に「Le Pass」というRTAのアプリを入れておけばそれも使えるようです。

さて初日の夜、ホテルに着くと倒れ込むように眠りました。スタンダードなアメリカのホテルという感じで、清掃もきちんとされており問題ありませんでした。今回の旅は基本的に、そこそこの清潔感があり、危ないエリアに立地していなければOK!という程度の条件にとどめ、高額でないホテルを選んでいきました。中心エリアから離れたホテルだったので、何の騒音もなくぐっすりと眠るにはとても良かったです。

翌日の朝は階下に降りて簡単な朝ごはんを食べながら、流れていた地元のテレビニュースを見ました。マルディグラパレードに関するニュースが続き、仮装をしたレポーターたちが観光客やパレード出演者にインタビューをしていました。浮かれ気分という言葉がぴったりの雰囲気で、あるレポーターはなぜかイギリス王室のハリー王子風の格好をして彼の著書を手に持ちながらのインタビュー。パレードに行かずとも、その場の楽しさが伝わってくるような放送でした。

私たちは準備を済ませてお馴染みのバスに乗り、パレード以外の観光もしようと、まずはコンゴ・スクエアやルイ・アームストロング公園 (701 N Rampart St, New Orleans, LA 70116) を散策しました。公園名ともなっている通り、ルイ・アームストロングはニューオーリンズ出身者で最もその名が知られるジャズトランペット奏者ですね。

ルイ・アームストロング像を発見。こんにちは。

プレートに書いてある、「彼のトランペットと心は世界に不滅の喜びをもたらし、ジャズが生命の躍動であることを体現した」という内容が良いですね。私はちょうど少し前の朝ドラ「カムカムエブリバディ」を視聴し、主人公のひとりである「るい」(演:深津絵里さん)の切ない人生を追っていたので、像を見てなんだか懐かしいような気持ちにもなりました。ルイ・アームストロングの「On the Sunny Side of the Street」は作品の核となる曲でしたね。あの作品は、私と夫の出身地である岡山が舞台だったので、最後まで見届けられて嬉しかったです。

この公園には、他にも音楽に関連した像があちこちに設置されています。

コンゴ・スクエアの説明書きによれば、この場所は以前「Place de Negres」という名称だったそうです。その名前は、かつて黒人奴隷たちが日曜日にここに集まり、歌ったりドラムを叩いたり、自作の物を売ったりしていたことに由来するそうで、園内の像もそんな昔の様子を表して制作されたものと思われます。

日差しが勢いよく照りつける中、公園をひとまわりし、昨晩はマルディグラで大賑わいだった通りに向かってみました。日中はほどよく穏やかな雰囲気です。以下はSt. Ann Street付近の様子です。

Iron Lace Balconyと呼ばれるこの地域独特のバルコニーデザインで、繊細な装飾が優雅な雰囲気を醸し出しています。建物だけ見ると、お祭りの喧騒とは無縁に思えてきますね。1階入り口横にはゲートがあり、奥に広い中庭が見えるところもありました。
3色のマルディグラカラーに彩られた建物も多いです。紫は「正義 (Justice)」、緑は「信念 (faith)」、金は「力 (Power)」を表しているそうです。
クリスマスオーナメントを販売している店にも、マルディグラ仕様の飾りがたくさん。買おうかなと思いつつ、ガラス玉製品は割れるかもと気がかりだったので今回はやめておきました。

ぶらぶらとセント・ルイス大聖堂周辺を歩きながら、ランチ予約をしていた「The Court of Two Sisters」(613 Royal St, New Orleans, LA 70130)へ。昼はジャズの生演奏を聴きながら、外のテラスで食事ができるお店です。昼のみビュッフェ形式で、大賑わいでした。郷土料理のガンボやジャンバラヤ、ザリガニ(Crawfish)などもあり、気楽な雰囲気で食事を楽しむことができました。会計を終えて通りに出てみると、なにやら音楽が聞こえてきます。

山車のパレード以外にも、楽器を演奏しながら&踊りながら練り歩く団体もいます。

その後しばらく、私たちはおみやげを見ながら歩き、夕方のパレードに備えて移動することにしました。その道中、マリオットホテルのテラスから、数名の子どもたちが顔をのぞかせ、ビーズやおもちゃを次々と投げ始めたところに出くわし、私たちもキャッチに参加することに。競争率がとても低い、あまりに突発的な出来事だったので、山車に乗っている人が投げる中でもレアなおもちゃをたくさん獲得しました。受け取れた中でも、他の人が欲しそうにしていたものは譲り、持ち帰りは少しだけにとどめました。キャッチイベントは楽しいですが、あっという間に荷物が増えるので、エコバッグを持参するのも一つの手です。

初日夜のパレード参加で感じたのは、フレンチ・クォーターの中心エリアでの観覧はアクセスしやすい一方で、人がとてもとても多いこと!前回の記事に載せたのが以下の写真ですが、この混雑具合でたくさんのビーズをゲットするのは結構ハードです (中には、自分が獲得したビーズを分けてくれる親切な人もいるので、心温まる交流もできますが)。

ビーズキャッチの上手な人が多いので、珍しいデザインのものやおもちゃはこの場所だとなかなか掴み取れません。

そのような学びがあったので、2日目はパレードのルートを事前に確認し、観やすい地点まで移動することにしました。ルートは、ニューオーリンズ・マルディグラの公式ページに掲載されています。私たちが訪ねた日は2月20日で、17時15分からは「Krewe of Proteus」、18時からは「Krewe of Orpheus」という団体が続けてパレードをすることになっていました。私たちは、フレンチ・クォーターから30分近く歩いた辺りで観覧することに。

中心エリアから離れるとフェンスもなくなり、間近でパレードを見学することができます。どちらかといえば地元の人が多く、椅子を持ち込んでパレードが始まるまでのんびりと過ごしている様子でした。田舎の花火大会のような雰囲気です。

この日のパレードは時間が1時間以上押しており、来てくれるまでかなり待ちました。そんな中でもあまり気にせずリラックスして待っている地元民っぽい皆さん。子どもは↑の広い道路でかけっこ大会を始め、おじさんたちもそれに加わって、楽しい時間を過ごしているようでした。そして、辺りがすっかり暗くなった頃、ようやく山車のお出ましです。

夜のパレードはネオンが光り、とにかく派手です。デザインの異なる様々な山車を数十台見ました。

至近距離でゆっくりと山車が通過するので、前の方に陣取っていれば比較的簡単にビーズをもらうことができました。昨日は取れなかった珍しい配色のビーズや、おもちゃももらえました。山車に加え、地元の中学生〜大学生マーチングバンドが次々と登場し、場を盛り上げます。ビーズを投げる乗組員の皆さんは、山車に積んである大量のビーズやおもちゃの袋を開封して中身を取り出し、本来なら一本ずつ沿道に向かって投げるようなのですが、だんだんと疲れが滲んできて、ビーズを一本ずつではなく塊ごと投げたり、袋ごと投げたりというヤケクソ的な動きをしている時もありました。仮面と衣装をつけた状態で延々物を投げ続けているわけですから、そりゃ大変ですよね。また、乗組員を観察していると、中高年以上の人も多く、タフさに驚きます。途中、山車の一部が燃えたとの情報が入り(隣で観覧していた人に”Is the float on fire?”的なことを聞かれて、何のことやらと思ったんですが、その通りだったみたいです)、パレードが停止!元々押していた時間はさらに押すことに。17時15分からと18時からのパレードは結局続けざまに行われ、すべてが終わったのは23時を過ぎていたように思います。

初日の夜からビーズやおもちゃを獲得し続け、とんでもない重量になっていることに気づきます。ビーズは数え切れないほどあった中から厳選し、軽いものや珍しいもの、好きな色のものだけ持ち帰ることにしました。光るビーズやおもちゃ、エジプト風のゴムボールがお気に入りです。

パーティーやイベントがあったときに気軽につけられそうな感じです。

最後は、なんと夜中の1時まで開いている有名店の「Cafe Du Monde」(800 Decatur St, New Orleans, LA 70116)へ。軽めのドーナツのようなお菓子、「ベニエ」を食べました。考えてみたら、昼ごはん以降何も食べていなかったのでした…。「ベニエ」と頼むと、小さめのドーナツが3個入ったものが1皿に載って運ばれてきます (疲れていて写真を撮り忘れました)。食べた後は、路線バスに乗ってホテルへと戻りました。


そして翌朝もゆっくり起き、昼前のパレード (Krewe of Zulu) を少し見て、空港へと向かいました。この時はUberよりも流しのタクシーの方が安かったです (空港までの料金は一律 $36のようでした)。

さて、旅の後半はフロリダ州オーランドへと向かいます。ユニバーサル・スタジオとウォルト・ディズニー・ワールドを3泊4日で楽しみました。その様子は後日別記事にて!