『Waitress』観劇

海外ドラマ・映画・演劇

ニューヨークで一番体験したかったことがブロードウェイ・ミュージカルの観劇で、中でも見たくてしょうがなかったのが、Waitressです。2015年にマサチューセッツ州ケンブリッジにて初演、翌年からブロードウェイでも恒例の上演演目となった比較的新しい作品です。日本では今年の3月に高畑充希さん主演で公演が行われましたが、彼女自身が元々この作品の大ファンで何度も劇場に足を運んで見に行ったとのことです。

特筆すべきは、主要制作陣 (作詞作曲・脚本・振付・演出・衣装・音楽監督) が全員女性であること!これはブロードウェイ初の試みだそうです。私は作詞作曲を手掛けたサラ・バレリスさん (Sara Bareilles) のファンですが、私の観劇回は彼女が主役のジェナを演じることが公表されていたため、心待ちにしていました。(彼女の出演は10/17まで!) 47丁目のエセル・バリモア劇場 (Ethel Barrymore Theatre) が今回の会場です。

Waitressの看板に心が躍ります。

2時間半の上映時間で全2幕。内容を完全に把握したうえで観劇したかったので、脚本を事前に購入し、予習を済ませておきました。予習をした状態で臨むと、作中の笑いどころがよく分かって楽しみも倍増します。

以下、あらすじをまとめました。書いていたら長くなってしまいました…。

第一幕 (Act 1)

メインストーリー:アメリカ南部の町で暮らすジェナ(Jenna)は、Joe’s Pie Dinerというダイナーのウェイトレスとして働いている。子どもの頃に母から習ったパイ作りが彼女の特技で、自分のひらめきを基に毎朝ダイナーのパイを作っている。同僚のベッキー(Becky)、ドーン(Dawn)、コックのカル(Cal)と共に楽しく働いているジェナだが、ある日吐き気に襲われ、妊娠していることが発覚する。ジェナには夫のアール(Earl)がいるが、酒浸りで仕事は解雇の一歩手前 (しかも劇の途中で解雇される)、しかもジェナが稼いできたチップを毎日せびるという状態で、傲慢で威圧的な態度を取り続けている。そのため、ジェナにとっては望まない妊娠ということになり、夫には内緒で産婦人科に通い始める。コネチカットから移ってきたばかりのポマター医師(Dr. Pomatter)がジェナの担当医になるが、彼女が診断時にお礼として持参した手作りパイを食べたポマターは、そのおいしさに驚き、彼女に好感を抱く。不器用ながらも優しく親身になってくれるポマターにジェナも次第に惹かれるようになり、二人は密かに恋仲となる。

サブストーリー:真面目で神経質、歴史オタクのドーンは、マッチングサイトで新しい出会いを探していた。「私みたいな人を好きになってくれる人がいるんだろうか」と悩んでいた彼女だったが、同じく歴史オタクでクイズ好きの男性オギーが候補者としてマッチングする。ジェナやベッキーの後押しを受け、デートをすることに決めたドーンはジェナが作ってくれたパイを持参して、待ち合わせ場所へと向かう。

第二幕 (Act 2)

サブストーリー:初めてのデート後、ドーンをすっかり気に入ったオギーはダイナーを訪ね、ユニークな歌と踊りを披露する。どうやら変わり者っぽいが、ドーンとの相性が良さそうなオギーをジェナ&ベッキーは歓迎する。彼らはあっという間に結婚までこぎつけ、ダイナーで結婚パーティーを開く。一方、粗野な物言いをするコックのカルは、軽口をたたき合う中のベッキーと密かに恋仲になっていた (しかし二人とも既婚者なので深入りはしない)。

メインストーリー:ドーンとオギーの結婚パーティーの最中、怒り狂ったアールが乗り込んでくる。ジェナがアールに内緒で貯めていたチップの隠し場所がバレてしまったからだ。帰宅後、夫の怒りを鎮めるため、ジェナは妊娠していることを告げ、子どものための貯金であったとごまかす。突然の知らせに当惑するアールは、「母親は子を授かると、夫よりも子を愛するようになりがちだと聞く。子よりも夫であるオレを愛すると言ってくれ」と無理矢理に誓わせようとする。その後夫が眠ると、ジェナは失意に沈みながら「彼女は私のものだった (She Used to Be Mine)」を歌う。それから月日が経ち、ベッキーやドーンらに支えられながら子への愛情を次第に深めていったジェナは、産婦人科でルル(Lulu)の出産を終えた直後、夫に離婚を突きつける。夫は「オレの子なら男が生まれるはずだ」「よその男との間にできた子じゃないのか」と捨て台詞を吐き、ジェナの病院代も当日分のみ支払ってその場を去る。初めて夫に言いたいことが言えたジェナは、清々しい気分でベッキー、ドーン、オギーらと病院を後にする。ジェナを助けようとするポマター医師だが、彼に妻がいることを知ったジェナは、これ以上関係を深めるのはやめようと言い、ポマターも彼女の意思を尊重する。それから数年後、ジェナはLulu’s Pie Dinerのオーナーとして働いていた。以前勤めていたJoe’s Pie DinerのオーナーであったJoeが、自分の死後、店の権利をジェナに譲り、彼女が自分の店を開店できるように取り計らってくれたためだ。ジェナはその店で、昔母が自分に教えてくれたように、ルルと楽しくパイ作りに励んでいる。

↓ Waitressの楽曲をコンサート形式で歌ったビデオがYouTubeにありましたので、貼っておきます。素敵~!!

今回のチケットは、Today Tixで購入しました。Broadwayの公式チケットサイトと比べると、席料金そのものは変わらないのですが、手数料が随分安いです。何の不都合もなかったので、今後観る場合もこのサイトを利用するつもりです。