George Eastman Museum – Rochester

アメリカ

ニューヨーク州ロチェスターにある、コダック社の創業者George Eastmanの記念美術館+邸宅を訪ねてきました。公式ホームページはこちらから。19世紀初期からの写真の歴史を知ることができる美術館で、年代物のカメラや写真作品が多数展示されています。現在ではスマホの普及もあり、誰でも気軽に写真撮影を楽しめますが、そうなるまでに至った過程について館内のビデオや説明書きで学べる楽しい場所です。受付スタッフの女性がとても魅力的な人で、入館時も退館時もEastmanや写真の歴史について詳細に教えてくれました。

これが個人の家ですかそうですか…と思わずつぶやいてしまいそうなほどの規模の邸宅です。
左上は美術館として建設されたもので、右上が邸宅です。

美術館では、その時々で写真家・映像作家の特別展を行っており、今回は Carl Chiarenza (ロチェスターを拠点に活躍する写真家) の作品と、Stacey Steers (コラージュを用いる映像作家)の作品が展示されていました。印象的なのが、どちらも入口に「写真撮影大歓迎です!」といった旨の掲示があることでしょうか。(Photography is encouraged だったかそんな感じの表現がなされていたと思います)。いかにも写真美術館らしい言葉だなと思いながら見ていましたが、カメラのシャッター音が部屋に響くことにどうにも抵抗があり、特別展についてはそれほど多くは撮影しませんでした。気にしなくてもいいんですけどね。

2名の展示を見た後は、カメラの歴史エリアに移りまして、19世紀初期の「ダゲレオタイプ」と呼ばれるフランスの写真技術についてまず知ることができました。銀メッキを施した銅板を感光材料として(光を当てて化学反応を起こさせる)、像を銅板上に映す初期のカメラだそうですが、精巧ではあるものの銅板そのものが写真になるため、複製ができなかったようです。より手早く、何枚も撮影ができるようにするため、ロールフィルムが開発されるようになり、カメラのサイズも徐々にコンパクトに進化していきました。カメラの先祖は、木箱のような形だったのですね。驚きました。

美術館の横にある邸宅については、写真の通り非常に豪華で、一部屋一部屋進むごとに「え?」とか「は?」というような声が漏れ出てしまうほどでした。大きなものだとビリヤード台、蓄音機、グランドピアノが目立っていましたね。任天堂の「どうぶつの森」を初期から遊んでいた私にとっては、蓄音機は憧れのアイテムなので興奮気味に観察しました。

George Eastmanはコダック社の創業者でありながら、ロチェスターの町づくりにも多大に貢献した人物であったようです。ロチェスター大学、ロチェスター工科大学、マサチューセッツ工科大学への寄付をはじめとし、多数の教育機関や医療機関を支えていたと伝えられています。晩年は病に苦しみ、自ら命を絶ったと知りショッキングでしたが、美術館のスタッフは誇らしく彼の功績を私に語ってくれました。

天候にも恵まれ、いい滞在ができて嬉しかったです。

George Eastman Museum: 900 East Ave, Rochester, NY 14607