周遊旅行③コロラド州テルユライド

アメリカ

2022年9月に行った、3週間のアメリカ横断旅行の振り返りです。

過去の記事はこちらから。


旅行8日目、ユタ州モアブにあるアーチズ国立公園の午前観光を終え、車で2時間40分かけてコロラド州南西部のテルユライド (Telluride) に向かいます。くねくねとした山道を通り、次第に木々も少なくなって、文字通り「何もない」道が延々続きます。ガソリンスタンドのある町を見つけたときにはオアシスのように感じられるほど!

テルユライドはコロラド州南西部のこの辺りです。

途中休憩を挟みながら、とうとうテルユライドに到着。この町だけ特別に緑豊かでお店もたくさんあるのが不思議ですね。人口は2,600人ほど。訪ねた日は、ちょうど年に一度の「Telluride Blues & Brews Festival」の開催中で、お客さんも賑わいを見せています。テルユライドは、このお祭りとスキーリゾートとして特に知られており、都会から離れている小さな町ながら、不動産は超高額!お店のある通りから道を1本、2本と脇に逸れただけで、豪華なコンドミニアムが立ち並ぶ静かな住宅街が広がっています。

快晴!メインストリートのW Colorado Avenueには、レストランやお土産物屋が並びます。
町を流れるサン・ミゲル川が美しい。そばに散歩のできる道がついており、犬と一緒に歩いている人がたくさん。

気持ちの良い町並みを楽しみながら、この週末お世話になる宿泊地 (コンドミニアム兼ホテル) を訪ねました。入口にはコンシェルジュが複数人常駐しており、横にあるラウンジスペースでは出来立てのコーヒーや地元産のビールをいつでも頂けるという夢のようなところで、さらにホットタブ (温浴設備) もあり、山々を眺めながら気持ちよくお風呂に入ることもできます。

上司ご一家から「ここに来てね」と教えてもらっていた住所に行ってみたら、このようなゴージャス物件にたどり着き、驚く我々です。
ラウンジでもらってきた地元産ビール。1本だけもらうつもりが、何本でもどうぞと言われたので、夫と2本ずつ選びました。「Telluride Brewing Company」のビールです。ご当地ビールは、ビール好きな人には嬉しいお土産になりますね。近くにある店舗で複数種類を買って、お世話になっている方に後日プレゼントとして渡しました。

この日は夕方から、上司のお子さんのお友達であるJさんご一家も加わることになり、大人数での食事となりました。初対面なので自己紹介がてら、「ボストンからロードトリップ中です」と話すと、Jさんご一家はとても驚き「アメリカ人でもしないような貴重な経験だね!」と言ってくれました。それからは、私たちのこれまでの道中の様子を興味を持って聞いてくれたり、これから行く予定の町のおすすめレストランを紹介してくれたりと、楽しいやり取りが続きます。Jさん (旦那さんの方)はLAを拠点に活動している映画&TVプロデューサーで、撮影や編集の仕事について教えてくれました。奥さまは奇遇にも日本の方で、ご家族や生活のことについて日本語でもお話しできたのが嬉しかったです。英語と日本語を自在に切り替えておられたのが素敵でした。この食事会を何から何まで準備してくださった上司ご夫妻に感謝です。


旅行9日目 (テルユライドは2日目)は、メインストリートにある「New Sheridan Hotel」横の「Phoenix Bean」で朝食を取りました。サンドイッチの朝食プレートを食べておいしかったのですが、私たちが訪問した9月の3週目から今日 (10/10) までの間に閉業してしまったようです (ピークシーズンのみ営業なのかもしれません)。

ハム・トマト・アボカドが詰まったサンドイッチでした。人気店のようでお客さんが次から次へと押し寄せていました。

さて、午後からはオフロードを走り山登りをするJeepツアーに参加しました。上司のEさんが事前予約をしてくださっていて、Half Day Tour (所要時間: 4時間) での参加です。待ち合わせの13時半、やって来たのは「Telluride Offroad Adventures」のドライバー兼ガイドのPaceさん。

何インチあるんだ?と思うほどの分厚いタイヤ。車内 (助手席/後部座席)もしくは後ろの荷台に設置された席のいずれかに座ります。この日は、上司ご一家と私たちの5人だけで貸し切りでした。

Jeepはテルユライドの住宅街エリアを通り、Imogene Pass Trailheadという狭く険しい山道に入ります。普通車ではあっという間にパンクしてしまうような、ゴツゴツとした岩だらけ、デコボコだらけの道です。車は常に上下左右に揺れまくり、酔いやすい私は常に警戒。道を駆け上がるうちに標高も高くなるので、水分補給と酸素吸入を適宜行いながら座席にいました。

未舗装道路のため、車高の高い四駆車でないとかなり進みづらいそうです。道路幅も決して広いとは言えないため、対向車とのすれ違いには技術を要します。登山中、ドライバーPaceさんのスーパーテクニックを何度も見る機会がありました。
快晴ということもあり、素晴らしい景色が一望できます。
テルユライドはかつて鉱山開発が盛んに行われていた地域であり、金・銀・銅・亜鉛・鉛が採れたそうです。道を上るにつれ、かつての鉱山労働者が使っていた小屋の名残りをあちこちに発見することができます。
適宜Jeepを停め、かつての工場跡や居住跡を歩きながら解説してくれるPaceさん。建築物の中には2階建て、3階建てだったものもあり、大勢の人々がこの鉱山で暮らしていたことが想像できました。
車は道を上り続け、こんなところまで。迫力の景色に圧倒されつつも、始終激しく揺れる車内。車から振り落とされないように手すりをしっかりとつかみます。上司のお子さまは早いうちから自ら助手席をキープし、最も安定した姿勢で見学を楽しんでいました。標高が高くなり、気温はどんどん下がっていきます。
対向車はいかつい車のオンパレード。オフロード仕様の大型車をこんなにも見る機会ってそうそうないですね。都市部では見かけないバギーを何台も目撃して興奮しました。いかついのにかわいさを感じます。
車のテレビCMか?と思うような光景が、まさにここにありました。四駆が景色の良いオフロードを走り抜ける姿はフィクションではなかった。
2時間強の往路を経て、ついに到達した頂上13,114ft (3,997m)!富士山よりも高いです。私は富士山にて高山病の経験者なのでとても警戒していたのですが、車内にいたこと+水分補給&酸素吸入のおかげか、元気なまま頂上まで行けました。頂上は格別に寒く、Paceさんに毛布を貸してもらうことに。
全員で記念撮影です。ポストカードのような完成度!私たち以外にも頂上で撮影をしている人がちらほらおり、皆さん自力でここまで上がって来たのか~と感心しました。
あまりの寒さにPaceさんから貸してもらった毛布を巻き付ける私。上司の奥さま (Sさん)からもウインドブレーカーの支給があり、皆さんのおかげで極寒の頂上でも生き延びることができました。

記念撮影を済ませ、また2時間ほどをかけて下山します。体調不良にならずに済んだことがとにかくラッキーでした。なかなかお目にかかれない景色も、Paceさんの解説も、きちんと楽しむだけの余裕があって良かったです。ここでの写真が、来年の年賀状候補かも?


夕方ごろ下界に降りてきた私たちは、ここからEさんご一家と別行動を取ることにし、町の人気レストラン「there」(627 W Pacific Ave, Telluride, CO 81435) に行きました。ジャンルは無国籍料理に分類されていましたが、アジア寄りの創作料理店かなと思います。

運よくバーカウンター席が空いていたので座れました。お通しはポップコーン。カクテルが人気だそうで、注文すると目の前で作ってくれます。
Crispy Cauliflower / Elk Buns / Wagyu Beef を注文しました。Elkはヘラジカのことで、ご当地メニューだそうです。どれも他では味わったことのない独創性があり、お店も活気があって良かった!

大満足の一日を終え、Eさんのお宅に戻ります。皆さんJeepツアーでお疲れだったようで、今日は早めに就寝です。


さて、テルユライド3日目 (旅行10日目) は、町内のトレイルに挑戦します。その名もBridal Veil Trail (=花嫁のヴェール)。山登りをしつつ、いくつか滝を見て回ることができる気持ちの良いトレイルです。

ジグザグの形とその幅の広がりがヴェールに見えるということでしょうか。

Eさんのお子さんを先頭にして、Eさん、夫、私の4人組で上ります。お子さんは小学校低学年ですが、私よりもスイスイ山道を登っていくので驚きです。山の上り道で心拍数が上がりやすい私は、もたつきながら3人に着いていきました。天気も良いので水をガブガブ飲みつつ、たまに出現する滝スポットに癒されます。

上りの暑さを忘れさせてくれる、滝のヒーリング効果。水に触ると冷たかった!他の登山者もここで休憩していました。
テルユライドでは、たくさんのAspen Treeを見かけました。日本で言うとポプラの木に相当するんでしょうか。黄色の小さな丸い葉が、風を受けてひらひら舞うのがかわいかったです。

1~2時間ほどかけてトレイルの上り下りを無事に終え、一旦Eさんのお宅へ戻り、夕食に向かう準備をします。

テルユライドには、無料で利用できるゴンドラ 「The Gondola」が町中に設置されており、山を越えた別の町との間を自由に行き来することができます。動きはそこそこ速く、まるでテーマパークの乗り物に乗っているかのようです。私たちはこのゴンドラに乗り、山を越えたところにあるMountain Villageという町に向かいました。テルユライドよりも新しい町で、スキーリゾートのために開発されたエリアなのだとか。

夕食は「Timber Room」(568 Mountain Village Blvd, Mountain Village, CO 81435) というレストランへ。これまたEさんが予約をしてくださっていました。「Madeline Hotel & Residences」という5つ星(!)ホテルの中にあるレストランです。

Devilish Eggs (味は3種類) / 16oz Wild Alaskan Halibut (巨大!) / 桃のデザート を注文。テルユライド最後の夜ということで、Eさんご一家とたくさん話をしました。私がしょっちゅう家の修繕やら手入れやらをしていると話すと、あなたはとってもHandyなんだね!との評価が付き、面白かったです。

レストランにて食べて飲んだ後は、またゴンドラに乗って帰宅しました。小学生のお子さんがいるEさんご一家は、普段夜遅くに出かける機会がほとんどないとのことで、ゴンドラから見えるテルユライドの夜景やライトアップ、星々を全員で楽しむことができました。


旅行11日目、出発の朝です。Eさんご一家には大変お世話になりました。最後に、地元のおいしいコーヒー豆やパン、チョコレートのスプレッドを詰めたお土産までくださって感激です。町を後にする前に、郷土博物館である「Telluride Historical Museum」(201 W Gregory Ave, Telluride, CO 81435) を訪ねました。小規模ながら、先住民族や移民の暮らし、鉱山開発、スキーリゾートとしての発展がよく分かるようにまとめられていました。1時間ほど滞在し、しっかりと展示パネルを読み込んだところで、テルユライドの町から出発です。3日間の滞在は天候にも恵まれ、Eさんご一家にも「本当に良い時期に来たね!」と言ってもらえました。私たちが訪問した2週間後、テルユライドはあっという間に冬景色になったそうです。

午後からはコロラド州をさらに南下し、国立公園へ向かいます!